2012年11月09日

Mさんのこと

4月3日の ブログで 紹介した Mさんが 突然 大阪に帰られました。
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Mさんのこと



Mさんは 今年75歳、 大阪で生まれ ずっと大阪に暮らしていましたが、1昨年5月 御主人に先立たれ 昨年暮れ 自宅を処分し 富士宮の老人ホームに移って来られました。 子供に恵まれなかったので 日蓮宗の総本山 身延山久遠寺(みのぶさんくおんじ)に 永代供養を申し込まれ 安住の地として 身延山に近く 富士山の見える 富士宮市を選ばれたのでした。

Mさんのこと

ご縁をいただいてから 月一回 御主人の 命日に私が出かけ 一緒にお経をあげ 今年5月の3回忌には 無事 御主人の お骨を 納めたのですが・・・

「ナンヤ 気が抜けて しもーてな~・・・」 
 
Mさんによると 今年の5月までは ”お骨を納める” ことが 生きがい だったのに それが 無くなってしまった。 たまに 身延山に お参りに行こうとすると タクシーで 往復5万円、 しかも 車椅子の身で 建物の外から手を合わせるだけ・・・ だんだん そのことにも 強い意欲が湧かなくなった・・・

Mさんは 手押し車を使って 散歩することが楽しみ、 ところが この地域の お年寄りと うまく コミニュケーションが とれない、 どうも Mさんの 大阪弁は ぶっきらぼうで 何か怒っているように聴こえるらしい・・・

「大阪ってとこは ムカシから 四国の人やら 朝鮮の人やら いろんなとこの人が 入り混じってまっしゃろ、 ヨソモンって意識が おまへんのや、 そのことに 気ぃついたんですわ」    「今のうちなら まだやり直せる と思いましてな」

静岡の人は とても気がやさしい、と 思います。  だけど たしかに 田舎の人 とくに お年寄りは ヨソから入ってきた人に対して ちょっと 遠慮するところが あるかもしれない・・・ 

Mさんのこと


 Mさんと 
 愛用の 手押し車













 友人の 人形劇団 ”じゅごん” のボランティア公演が 実現し 
楽しんでもらうことが できたのが せめてもの 救いでした。

Mさんのこと






左端が Mさん です。











Mさんのこと

                人形劇 ”おこんじょうるり”


帰る、 ということを 決めた ある日、
突然 興徳寺に 現れ 二百万円を 差し出されました。 

「百万円を 石巻市の震災孤児育英基金に、 百万円を YUNOどんぐりの会へ」  

自分は見ることはできないけれど キレイな山が残ること を想像しただけで 嬉しいと・・・ 

Mさんのこと


前回 Mさんから 戴いた 多額の寄付金で 本堂 天井の ガラスに ”天女” を 施しました。

Mさんのこと




大阪 花岡美智子 
の文字が 読み取れるでしょうか?









別れ際に こんなことを・・・
「こういう施設に 住んでたら 長生きはできません、 回りの人を見ても せいぜい10年くらい、施設の費用は 月18万円くらいで 年金ではとても足りないので 貯金を崩しているのだけれど 残りの時間を逆算して 必要ないもんは 全部 差し出しました」

ちょっと悲壮なハナシを 笑いながら サバサバと・・・

Mさんのこと



興徳寺の 天井を舞う 天女は 美智子さん あなた自身です。
 
大阪の 施設に 会いに行きますネ。

Mさんのこと



明後日 11月11日は 興徳寺の お会式。 
檀家さんが もっとも多く集まる日、ですが 檀家さん以外でも どなたでも どうぞ・・・  10時半から です。 











Posted by kotokuji at 21:13│Comments(0)
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