2013年09月26日

私ありがとう

7月末のお盆から 彼岸が終わるまでの 約2ケ月、 私にとって 1年でもっともハードな期間を 無事乗り切ることができました。 
お彼岸の お中日の夜、解放感に浸りながら 母と一緒に食事のテーブルについて 食べ終わったら そのまま居眠り、デスクに移って パソコンの前で居眠り、お風呂に浸かって居眠り、部屋に戻って 久しぶりにとTVを点けたら そのまま居眠り・・・  慢性の寝不足であったな~、と思いました。 

丈夫な体に まず感謝!です。



22日の 『彼岸会』、 
いつになくたくさんの方が来てくださって、用意しておいた 70ケの「おはぎ」が足りませんでした。

 












檀家さん以外の方も多く、嬉しい限りです。



「法話」では 『私ありがとう』 というタイトルで こんな話をしました。(HPの「紙上法話」も見てください)



自分は かつて とてもイヤな奴でした。  

田舎育ちが都会に憧れ、背伸びをしていたのでしょう、

とくに秀でたものは何もなく、コンプレックスだらけなのに自尊心も強く 本当に薄っぺらな人間でした。 

人に好かれたい、と思う分 嫉妬心も 強かった・・・ 人が失敗すると 心配・同情もしながら 心のどこかでは 「やっぱりね~」と つぶやく自分がいる・・・ 情けなくなるほど イヤな性格だと思いました。 

自分の欠点もある程度分析できているつもりでしたが 他人の欠点も目につく。 

ある時、「他人の欠点はすべて 自分の中にある」という学びを得ました。 「そうか だから許せないのか」 ということが分かった。 「自分はバカな奴だ」ということも よ~く分かってきました。 

「バカほど可愛い」などといいますが そんな自分がカワイイと思えるようになり、 欠点だらけの自分を愛おしいと思えるようになりました。 

自分で自分のことを好きになると 他人を許せるようになる、 他人を好きになる。

すべてに対して 「ありがとう」を言えると 「ありがとう」が返ってくる。

宇宙の果てまで続いている 「ポジチブのスパイラル」です。

「ありがとう」の気持ちを 祈りに込めて 「南無妙法蓮華経」





     


              (オレンジ色の彼岸花)






    (石段の上から)








 彼岸花 満開!











すっかり 秋めいてきました。

しばらく遠ざかっていた ”自転車”を 再開しました。




これから 11月の 「お会式」まで、 充実した時間を 過ごしたく・・・



  


Posted by kotokuji at 20:46Comments(0)

2013年09月20日

モノの価値

前回のブログで 「忙しい!」の代わりに「大変!」って言葉はオモシロイ、と言ってくれた読者の方がおりました。 

私にとって 昼間檀家さんを廻って 夜 お塔婆を書く、のは自分で決めていることなので 大変でも何でもないのですが 今回は最後にお葬式が入ったので、チョイ大変! お盆のときは 2つ重なったので メチャ大変! でした。
 
お彼岸のお経廻りと80枚のお塔婆書き、何とか明日で終わりそうです。




エツコさんというお檀家さんがいます。 83歳のひとり暮らしの上品なおばあさんです。

昨年の夏、熱中症で家の中で意識を失ったところへ 東京に住む息子の嫁が 墓参の帰りに寄って発見し 救急車を呼んでくれて 一命をとりとめました。
いわば命の恩人である そのお嫁さんに 自分の持っている指輪をあげたい、と お盆のお経廻りに伺ったとき 話してくれました。 そのときに 一番いいやつはやれないけど それ以外の中から選ばせる、というので どうして その一番いいのをあげない? と聞くと・・・

亡くなったご主人が 毎晩のようにお酒を飲んで午前様、 それを見かねた近所のおばあさんが 「思い切って 高い指輪を買っちゃいなさい」とアドバイスしてくれたそう、 その時に家中のお金をかき集めて 買ってしまった思い入れの深い指輪なのだそうです。
値段が ナント当時の百万円。
御主人も 信頼していたおばあさんのアドバイスとあって 意外にあっさりと同意してくれたそうですが 「50万円、と言っときましたけど」な~んて・・・ 

でも それから 御主人も 随分変わったそうです。




「これは死ぬまで、手放さないつもりです」と言うので 
「ケチなこと言わないで その一番いいやつを明日あげたら?」と言うと 
「そんなこと考えたこともなかったけど そうか・・・」としばらく考えてから・・・
「よっしゃ そうしましょッ!」と。 

その指輪を見せてもらいました。 
大きなひすいの周りに小さなダイヤ4個をあしらっただけの
シンプルで 上品なデザインのものでした。
 







その指輪を エツコさんの左手の薬指にはめてあげて 「もうこれでお別れだから 明日まで つけとくとイイヨ、あなたの手から 嫁さんに指に移してあげて・・・」
おちゃめなエツコさん、とても喜んで「明日はデーサービスだけど このままつけて行こうッと・・・」




今回 お彼岸で伺って まず最初に
「ネッ、あの話 どうなった?」 と聞くと
「『ありがとうございます』って・・・」 
「それだけ?」 
「それだけ・・・」

アメリカ人のお嫁さんには 少し地味だったか?
 「値段言った?」
「言うわけないですヨ~ でも 気持ちはとってもスッキリしました、 本当にありがとうございました」と 心からの笑顔で・・・

モノの価値は 人によって まったく異なります。

煩悩を断って ホトケ様に また一歩近づきましたネ、エツコさん!



「でも 値段 言ってやった方が よかったんじゃないかな~?」 などと 和尚の方が未練たらしい。




*《富士山ピース&アートフェスティバル》の協力をするので 銀行口座を教えて欲しい、という連絡をいただきました。 ありがとうございます。   
 富士宮信用金庫 001 普通口座 1130124 富士山ピースフェスティバル実行委員会 代表 長沢正義
 振り込んで下さった後に 必ず ご連絡ください。 入場券は郵送させていただきます。 ヨロシク。

明後日 9月22日、 10時より 興徳寺の『彼岸会』 お近くの方、どうぞ。  「法話」は 『私 ありがとう』、の予定。原稿書きとリハは 明日午後、 「ウ~ン チョイ大変!」



  


Posted by kotokuji at 19:24Comments(0)

2013年09月09日

忙しい、という言葉

お彼岸の お経廻りも 半分を過ぎました。
出だしで豪雨に叩かれ、その後も 暑い日が続いておりましたが ここに来てようやく 秋らしさを感じられるようになりました。




  彼岸花が 
  咲き始めました










毎朝4時に起きます。 
すぐにお米を研いで炊飯器のスイッチを入れます。(以前は 前夜準備して タイマーをセットしておいたのですが お米が水に浸かっている時間が長すぎると 味が落ちる、という理由で 朝に切り替えました)
その後、1時間は書道の稽古(検定試験が目前です)。
それから 本堂でお勤めをして 朝食の準備~片付け、この間に母を起こして、食べさせて・・
7時過ぎに出発、終日檀家さんを廻って、18時頃帰宅、夕食は妹たちが交代で 作ってくれてあるので それを食べて 片付けて 母をお風呂に入れて 彼岸の塔婆を書いて 
22~23時に就寝。 この繰り返しです。






所属する 芳林書道院代表 水川舟芳先生の個展が 銀座の東京セントラル美術館にて開催されました。 大作ばかりが14点、中でも横幅何と17メートルの『陶淵明詩』は圧巻でした。 






 まだ 朝顔も
 咲いています










もう随分(20年以上も)前からですが 意識して使わない言葉があります。

例えば 「疲れた~」、 これを言わなくなったら 本当に疲れなくなりました。

同じように 「忙しい~」、 これを言わなくなったら 忙しい、という気持ちがなくなりました。
「お忙しいところ 申し訳ございません」などと言われますが、忙しいと思っていません。

肉体的には 忙しいような現象ですが 心は何も忙しくないのですから・・・



私の尊敬する イエローハットの創始者 
鍵山秀三郎さん(現相談役)は 
手紙を差し上げると返事を下さいます。 
それも手書きの丁寧な楷書です。
まさにもう恐縮の至りですが
一体どうしてその時間を捻出されるのか、と思います。 

80歳になられた今も 日本中を忙しく駆け巡り、
朝は5時から 道路の清掃をされています。 

時間の貴重さを誰よりも良く分かっておられ、
動きは 無駄なく洗練されています。









口癖のように 「忙しい!」と言われる方がおりますが 
よ~く整理してみれば 「忙しい!」の正体は
意外と 大したことでもないもの。  

「忙しい!」が出そうになったら せめて別の言葉を!




私の場合は 「大変!」と言ってます。




頼みごとをするときには 忙しい人に、ってよく言われますが
私も 自分で決めたノルマは果たしながら なお余裕をもった生き方をしたいと思います。







富士山ピース&アートフェスティバル







今年も 『富士山ピース&アートフェスティバル』が 10月5~6日の2日間に渡って 開催されます。 
今回は 入場券を販売することになりました。 2日間通しの共通チケットで 2500円です。 私が 会計担当なので 何としても黒字で切り抜けたく 切にご協力をお願い申し上げます。





*「一口法話」 と 「住職のひとりごと」 更新されています。  


Posted by kotokuji at 22:10Comments(0)